ローズオイルは、その豊かな香りと多くの健康・美容効果から世界中で愛されています。しかし、ローズオイルの中でも特に「ローズオットー」と呼ばれる種類があります。この名称には深い歴史と製造法の違いが関係しています。以下では、その理由を詳しく説明します。

歴史的背景

ローズオイルの歴史は古代に遡ります。古代エジプト、ギリシャ、ローマなどの文明では、バラの花は神聖なものとされ、そのエッセンスは香油や薬として利用されました。しかし、「オットー」という名称が登場するのは、後の時代です。オスマン帝国（現在のトルコ）では、バラの栽培とローズオイルの蒸留技術が非常に発展しました。この地域では特に「ダマスクローズ」という品種が広く栽培されており、このバラから抽出されるオイルが「ローズオットー」として知られるようになりました。

「オットー」の語源

「オットー」という名称は、ラテン語の「Aqua（アクア）」とアラビア語の「Attar（アッター）」に由来しています。アラビア語で「Attar」は香油を意味し、「Aqua」は水を意味します。この二つが組み合わさり、「水によって抽出された香油」という意味で「オットー」という言葉が生まれました。これは、ローズオイルの蒸留方法を示唆する言葉です。

蒸留法の違い

ローズオットーは、水蒸気蒸留法という特定の方法で抽出されます。以下に、この方法の特徴を説明します。

水蒸気蒸留法：バラの花びらを蒸気で加熱し、その蒸気を冷却して液体に戻すことでオイルを抽出します。この方法は、オイルの純度が高く、香りが非常に豊かであるという特徴があります。
効率と品質：水蒸気蒸留法は、他の方法と比べて効率は低いですが、得られるオイルの品質が非常に高いです。このため、ローズオットーは高価で希少なオイルとして知られています。
冷却技術：オスマン帝国時代には、冷却技術が発達していなかったため、蒸留したオイルを冷却するために地下の貯蔵庫や涼しい場所が利用されました。この技術的な背景も「オットー」という名称に関連しています。

現代におけるローズオットー

現代でも、ローズオットーは高品質なエッセンシャルオイルとして重宝されています。特にアロマテラピーや高級化粧品に使用されることが多いです。その効能は多岐にわたり、リラクゼーション、抗炎症作用、保湿効果などが期待されています。

アロマテラピー：ローズオットーの香りは、ストレスを軽減し、心を落ち着ける効果があるとされています。これは、香りの成分が脳に直接作用するためです。
スキンケア：ローズオットーは、皮膚の再生を促し、炎症を抑える効果があります。そのため、敏感肌や乾燥肌のケアに使用されることが多いです。

生産地とバリエーション

ローズオットーは主にブルガリアとトルコで生産されています。これらの地域では、長い歴史と伝統に基づいたバラの栽培と蒸留技術が受け継がれています。

ブルガリア：カザンラクという地域が特に有名で、「バラの谷」とも呼ばれています。この地域で生産されるローズオットーは、品質が非常に高いとされています。アロマの城ではバラの谷産の商品を扱っております。
トルコ：ここでもダマスクローズが広く栽培されており、ローズオットーの一大生産地となっています。